債務整理を依頼した後に財産を減少させる行為

自己破産や個人再生を依頼した後に,自動車の所有者の名義をかえたり,保険の契約者を変更したりすると,どうなるのでしょうか。

自己破産や個人再生をする方が所有している自動車の所有者の名義を,ご親族にかえると,本来であれば債権者に分けられる可能性のあった財産を故意に減らしたことになります。

自己破産や個人再生を依頼した後は,このように財産を故意に減らす行為をすると,自己破産であれば免責が得られず,借金の支払義務が残る可能性が高くなります。

また,ご親族に名義を変える行為を管財人が否認し,名義を自己破産する方に戻してくることになります。管財人が,ご親族の方を相手に裁判等をすることもあります。

個人再生でも,債権者に支払うべき額が増加したり,そもそも個人再生が不当な目的でされたものとして認められない可能性があります。

そうはいっても,生活に困って保険等を解約せざるをえないこともあるはずで,どのような行為が財産を故意に減らす行為に当たるかは,微妙なケースもあります。

自己破産・個人再生等を依頼した方が,無断で,財産を処分・解約したり名義をかえたりすれば,弁護士が辞任することも珍しくありません。

必ず事前に依頼した弁護士にご相談されることをお勧めします。