月別アーカイブ: 2016年 5月

時効の援用

債務整理の方法の一つに,消滅時効の援用があります。

貸金業者からの借入は,最後の借入れ又は返済から5年間経過すると,消滅時効により

支払義務を免れることができるのが原則です。

ただし,貸金業者等が裁判を起こして確定判決を得ている場合等は,判決確定から10年間は時効により消滅しませんし,最後の借入れ又は返済後に債権者と話合い等をしている場合は,話合い等をしたときから5年間は時効により消滅しないというルールもあります。

また,5年や10年を過ぎれば勝手に支払義務がなくなるわけではなく,時効の援用という方法で時効により支払義務がなくなったことを相手方に主張しない限り支払義務はなくなりません。

借金の種類によって時効にかかる期間にも差がありますので,詳細は弁護士までお尋ねください。

帰省

ゴールデンウィークに大阪に帰省しました。

ついでに岡山に足をのばし,倉敷や岡山駅周辺を観光してきました。

倉敷は,星野仙一元中日ドラゴンズ監督の出身地らしく,星野仙一記念館がありました。

 

重要判例解説2

平成27年度重要判例解説で,私が主に担当している倒産事件のものを調べてみました。

東京地裁平成27年3月17日判決(金融・商事判例1473号38ページ)は,興味深い事例です。

親が死亡し,子2人が2分の1ずつ相続分を持っているときに,子の1人が破産する直前に,もう1人の子に全ての遺産を帰属させる遺産分割をすると,債権者を害する行為として,破産管財人による否認権行使の対象となり,破産管財人が遺産を取り返す等してお金に換えて債権者に分けられることになるのが原則です。

前述の裁判例は,共同相続人である長男と次男で,長男が法定相続分である2分の1を超える遺産を取得した後,次男が破産した事例です。

名主として代々長男が土地を取得して守っていく風習があったことや,長男が寺院等との宗教上のつきあいで今後多額の出費をする見込みであること等を考慮して,実質的には次男の債権者を害していないとして,否認権行使の対象になりませんでした。

名主の家柄であった等特殊な事例ですが,遺産分割を行った後に弁護士に依頼される方等の助けになる可能性がある裁判例です。

重要判例解説

毎年4月10日頃に,昨年1年間に出た重要判例をまとめた本が出版されます。

今年は,認知症の方が電車にはねられて死亡した際の親族の電鉄会社に対する責任や,小学生がサッカーゴールに向けてけったボールが道路に飛び出して,人が転倒した際の小学生の両親の責任等,民法の分野で話題になった判例が多かったように感じます。

5月

5月になりました。

ゴールデンウィークには帰省等で休暇をいただく予定です。

あしからずご了承ください。