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実践フォーラム破産実務

「実践フォーラム破産実務」という本が出版されました。

自己破産に関する本は,数多く出版されていますが,この本の特徴は,本のほとんどが座談会形式になっていることです。

座談会形式のメリットとして,破産事件に精通している弁護士が,他の本に残しにくいきわどい処理をしたケースの一端に触れることができる点があります。

また,破産事件をやっている弁護士が,そう頻繁には出会わないが,たまに出会う問題点についても,ある弁護士の経験談として語られているところもあって,

結論が出ているわけではないところをどのように処理するかの方針を知ることができます。

たとえば,法人の破産事件で,従業員の給料は,金融機関からの借入等に優先してもらうことができますが,代表者が法人に払ってもらっていない役員報酬は,金融機関からの借入等と

同様にもらえないのが原則です。これを,廃業直前の最後の役員報酬は,資産状況によっては生活給的な範囲での支給は許容される場合があると述べている方もいらっしゃり,法人の

代表者さんが立ち直る上でプラスになる考え方です。

また,法人のお金で代表者個人の破産事件の費用を用立てることは,原則として法人のお金を私的に流用したことになるので禁じられていますが,これも,最後の役員報酬から用立てたものと

説明できる場合があるという記述もあり,参考になります。

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