公正証書遺言のメリット

先日、遺言をどうやって作ればよいかとの相談を受けました。
遺言を残そうと考える場合の方式としては、公正証書遺言と自筆証書遺言があります。
公正証書遺言のメリットは、一般には、
①遺言の内容を実行しやすいような文言を弁護士などの専門家に考えてもらえる。
②遺言を書き換えられたり、書き方の間違いで無効になることがない。
③遺言を作成した際の判断能力などが争いになりにくい。
といったことが挙げられます。
デメリットとして、
①費用(財産1億円であれば43000円程度の作成手数料および弁護士報酬)と公証役場に赴く等の手間がかかる。
ことが挙げられます。
 今は仲の良い兄弟でも、いざ数千万円の財産の分配の話となると、取り分を増やそうと争いになるケースは数多くあります。せっかく争いにならずに財産を分けてほしいと考えて作成する遺言なのですから、公正証書遺言が安全であるといえるでしょう。

 また、あまり強調されないですが、弁護士が関与する遺言では、ほとんどの場合、遺言執行者を指定します。遺言執行者がいれば、それ以外の相続人が勝手に登記をしたり、財産を独り占めしようとする行為が無効になります。

 遺言執行者に弁護士を指定することで、遺言通りの遺産分割がなされない心配は、大きく減ります。