不動産のリースバックの問題点

1 不動産のリースバックとは

不動産をお持ちの方が、資金繰りに困ったときに、不動産を売却して代金を資金繰りに回すことが考えられます。

通常どおり第三者に売却すると、購入した人は基本的に自ら使いたくて購入するので、たとえば自宅を売るケースでは、売った人は自宅から退去することになります。

一方で不動産業者に購入してもらって、賃料を払って住み続けることで、自宅を維持して資金を得る方法があり、これをリースバックと呼んでいます。

債務整理の相談者にも、住み続けるためにリースバックの利用を検討する方がいらっしゃいますが、問題点も多いので注意が必要です。

2 オーバーローンの場合は実行できない

まず、住宅ローンなど担保になっている借金額が不動産の時価より多い場合は、リースバックはできません。

売主が不動産業者に売る際に、抵当権をつけている住宅ローン等が担保を外してくれないと買い取った不動産業者は困りますが、完済されるまで担保は基本的に外れません。

3 時価より大場に安くしか買ってもらえない

2つ目に、リースバックができるとしても、通常どおり第三者に売る場合より大幅に安い値段でしか買い取ってもらえません。

これは、売った人が約束どおり賃料を払わないときに不動産業者が第三者に転売して損が出ないようにする必要があるためです。

たとえば通常なら1000万円で売れて住宅ローン600万円を払い終わって400万円手元にお金が残るはずのところ、700万円でしか買い取ってもらえず、600万円の住

宅ローンを払うと100万円しか手元にお金はこず、さらに賃料をずっと払い続ける必要があるというのが通常のイメージです。

4 賃料が相場より高い、最終的に自宅をとられるケースが多い。

買い取る不動産業者は、賃料を決める際、近隣の賃料相場よりも、買取金額を重視して賃料を決めることが多いです。これは、不動産業者が買い取った金額(仕入値)を短期間で

回収する必要があるためで、近隣の同年築の同面積のものより高いケースがほとんどです。

目先の賃料が安いケースでは、たとえば5年後に売主が数百万円払って買い戻すか、あきらめて退去するか決められるという契約もあります。

そして、相場より高い賃料や5年後等買戻しの期間内にまとまったお金が用意できなかったことで、結局自宅から退去している方が少なくありません。

このように、リースバックは、一時的に自宅を残して債務整理する手法として有効ですが、長い目で見れば損であるケースが多いので、注意が必要です。