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浪費がある場合の同時廃止か管財事件か区別

1 自己破産には、同時廃止と管財事件の2種類がある

自己破産は、裁判所に申請して借金を0にしてもらう手続きです。

自己破産には、同時廃止と管財事件と2種類あります。

同時廃止は裁判所に納める費用が約1万5000円ですみ、裁判所に行かないでよいケースが多いですが、管財事件は裁判所に納める費用が最低20万円以上かかり、裁判所に原則行かなければなりません。

自己破産を依頼する方は、管財事件でなく同時廃止になる方がメリットが大きいでしょう。

ただ、浪費が多いと免責観察といって、借金を0にしてよいかどうか裁判所が選

ぶ管財人という弁護士の指導・監督が必要という理由で管財事件になります。

ここでは、パチンコや競馬、服の買いすぎ、投資の失敗等の浪費がどの程度で管財事件になるかという感覚をお伝えします。

2 浪費の時期と金額

まず、浪費の時期が自己破産の申請に近く、金額が多いほど管財事件になります。

たとえば弁護士に自己破産を依頼した後にギャンブルをした場合は、依頼後の総

額が20万円程度でも管財事件になるのが通常です。

弁護士に依頼する直前までギャンブルしていたが、依頼後はやめているケースで

は、月に5万円程度までなら同時廃止になりやすいでしょう。

借金が払えなくなる2,3年前にはやめているなら、月10万円弱のギャンブ

ルがあっても、同時廃止になりやすいと思います。

3 浪費以外に借金が増えて払えなくなった原因を説明できるか

浪費した額以外に、やむをえない出費が増えたとか、収入が下がったなど、それ

まで返済できたのに事後的に生じた原因で払えなくなったと説明できるかがポイント

になります。

たとえば、同じ月額5万円のギャンブルがあったとして、子どもの大学進学で想定以上に教育費が増えたなら、払えなくなったのはギャンブルでなく子供の進学であるとして、同時廃止になりやすいでしょう。

4 債務総額

自己破産で免責(払わなくてよくなること)してもらう債務額もポイントになり

ます。

子供の奨学金や住宅ローンのような使い道が明確なもの以外に、500万円以上借金があると管財事件になりやすいといわれています。

5 このように、同時廃止か管財事件かは、様々な事情を考慮して裁判所が決めますが、弁護士に見通しを聞く場合は、自己破産の経験豊富な弁護士に聞くことをお勧めします。