債権者破産

破産は,破産せざるをえないと判断した会社や個人が,自分の意思で裁判所に破産したいと申立てをするのが通常です。

これを自己破産と呼んでいます。

これ以外に,破産の申立ては,債権者もすることができ,債権者破産と呼ばれます。

債権者破産は,債権者が,債務者が財産隠しを行っている等誠実な返済が見込めないと考えた場合に,破産の申立てをして,裁判所に管財人を選任してもらうことで,管財人の権限を使って財産を調査したり,債権の回収を図る方法です。

債権者破産の場合,申立てをする債権者は,相当な金額を裁判所に納めなければならず,債務者の財産が少ない場合は,かえって損をする可能性があります。

一方,破産手続きでは,破産させられる債務者は,管財人に対し,重要な財産を開示したり,求められた事項を説明する義務を負い,違反すれば刑事罰を受けることもあります。

管財人は,郵便物の転送も受けることができるため,通常債権者が把握できない財産を発見できますし,破産者が財産を処分する権利を失わせることができるので,財産隠しを行うのを防ぐ効果もあります。