相続財産・負債の調査方法

亡くなった方の財産や借金をそのまま引き継ぐか、相続放棄等で財産も借金も引き継がないかは、亡くなった方の財産と借金がどれくらいあるかによるでしょう。

ここでは、亡くなった方の財産や借金をどうやって調査するかの一例をお伝えします。

1 通帳は記帳するほか、戸籍等を提出して銀行から取引履歴を取得することもある

亡くなった方の通帳を見ると、財産や借金がよく表れています。

たとえば、亡くなる直前まで毎月保険会社から引き落としがあれば、保険に加入している可能性が高いので、保険会社に問い合わせてみるとよいでしょう。

毎月クレジットカード会社の引き落としがあれば、クレジットカードで買い物や借金をしていたと思われます。

ただ、通帳は、銀行が亡くなったことを知ると、勝手に引き出しはできなくなるのが通常です。

どういう入出金があったかを知りたければ、亡くなった方との関係を証明する戸籍等を提出して、銀行から入出金履歴を取り寄せるとよいでしょう。

2 郵便物の確認

亡くなった方の自宅に届いている郵便物からも、財産や借金が分かります。

たとえば、証券会社から運用報告が届けば、その証券会社で株式等の投資商品を持っていたと思われるので、証券会社に問い合わせてみましょう。

また、消費者金融から請求書が届けば、消費者金融から借入をしていたことが分かります。

3 信用情報の取得

信用情報とは、ある人がクレジットカード会社、銀行等からいくら借りているかや、延滞しているか等を信用情報機関が管理しているものです。

亡くなった方の法定相続人は、亡くなった方の信用情報を取得できます。

信用情報機関には、CIC、JICC、全国銀行協会等がありますので、負債がありそうな場合は、これらの信用情報機関に照会するとよいでしょう。

4 相続放棄も検討する場合は、財産を取得したり借金を払わないよう注意

亡くなった方の財産も借金も引き継がない相続放棄も選択肢に入っている場合は、うかつに亡くなった方の財産を取得したり、借金を払わないよう注意が必要です。

財産だけもらって借金を払わないのは、相続放棄できない事由に当たります。

また、借金を払うことは、相続放棄せず単純承認(財産も借金も引き継ぐこと)したものとみなされる場合がありますので、単純承認すると決めるまでは支払いをしない方が無

難です。

どういう入金や支払いは大丈夫か等は、相続に詳しい弁護士におたずねください。