新型コロナウイルスと住宅ローンの返済猶予や減額等

1 住宅ローンの減額・免除のガイドライン

新型コロナウイルスの影響で収入が減って,住宅ローンの返済が難しくなったというご相談が増えています。

令和2年8月7日の日本経済新聞に,金融庁,全国銀行協会等が,新型コロナウイルスの影響で住宅ローンの返済が見込めなくなった人に対し,住宅ローンを減額・免除する制度を整えようとしているという記事がのっていました。

東北・東日本大震災等で住宅が被害を受けた方に使われた,「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」を,新型コロナウイルスにも当てはめようとしているようです。

2 令和2年8月時点では,住宅ローンの返済猶予の制度を使うのが原則

令和2年8月時点で住宅ローンの返済が既に難しくなっている方は,住宅ローンの債権者と話し合いをして,返済を猶予してもらうのが基本的な対策です。

これは,新型コロナウイルスの影響の前からよく行われていたもので,たとえば住宅金融支援機構のホームページでは,①ボーナス返済の見直し②中ゆとり③返済期間の延長等が掲げられています。

②は,3~5年間程度,利息だけを支払うようにして,3~5年経過後に上乗せして返済するなどで,③は,毎月の返済額を減らして返済総額を増やす代わりに返済期間を最長15年間後ろに延ばすなどを指します。

しかし,これらは,毎月の利息分すら払えない人は使えないですし,住宅ローンの元本は変わらないので,将来今まで以上の負担額になって跳ね返ってくるのが通常です。

3 自然災害に関する債務整理ガイドラインを使う問題点

自然災害に関するガイドラインでは,ごく簡単にいうと,自然災害にあった方が,弁護士等の登録支援専門家を通じて債権者と話し合いをし,時価20万円を超える財産を手放

すことを前提に,債務を減額・免除してもらうことができます。

通常は,住宅ローンが払えず自宅を手放しても,残った債務は一括で払わなければならないのが原則ですので,自然災害に関するガイドラインが新型コロナウイルスに適用でき

るようになれば,自宅を手放せば,残った住宅ローンを請求されることはなくなりそうです。

しかし,自然災害の場合は,自宅は災害で使い物にならなくなっているのに対し,新型コロナウイルスの場合は自宅の価値はほとんど落ちていないにもかかわらず,

自宅を手放すことを前提にした制度にすると,自宅を残したいという方のニーズにはこたえられません。

 

一方で,住宅ローン債権者の立場に立てば,自然災害の場合は自宅を競売してもほとんど回収できないから住宅ローンを減額・免除することを認めやすいのに対し,新型コロナ

ウイルスの場合は,自宅を競売すれば多額の回収ができるのですから,自宅の価値以下にまで住宅ローンを減額・免除することは認められないはずです。

弁護士は,登録支援専門家としてこの制度を使うこともありますので,自然災害と新型コロナの違いをどう調整して,制度ができあがるのか注目しています。

4 当事務所は,愛知・三重・岐阜・東京のほか,千葉県に2拠点目となる弁護士法人心千葉法律事務所も開設し,千葉の借金にお困りの方々を支援しています。

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