日別アーカイブ: 2018年9月11日

振り込め詐欺被害と口座凍結

振り込め詐欺等の被害にあった方がだましとられたお金を取り返そうとしたときに困るのが,加害者側に資力がないことです。

振り込め詐欺であれば,被害者は所定の口座に振り込みをしますが,すぐに別の口座に移されたり,出金されて現金になり,取り返すお金が

なくなってしまうのが通常です。

これを防ぐため,相談を受けた警察や弁護士は,振り込め詐欺に使われた口座を凍結してお金を動かせないようにする申請をすることがあります。

「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」で,口座凍結の要件等が定められています。

振り込め詐欺の被害金が口座凍結を通じて回復される場合の流れは,簡単にいうと以下のとおりです。

まず,警察や弁護士は,振込先の預金口座等を開設している金融機関に対し,犯罪利用預金口座等である疑いがあるとの情報提供をします。

金融機関は,捜査機関等からの情報やその他の情報に基づいて被害状況調査を行ったり,預金口座名義人の住所へ連絡する等所在状況調査を行い,犯罪利用預金口座等であると疑うに足りる相当な理由があると判断した場合は,口座の取引停止措置(凍結)を行います。

預金保険機構がホームページで公告をし,60日経過しても口座名義人が何らの権利行使等もしない場合は,口座名義人が金融機関から当該口座の預金を引き出すことができなくなります。

当該口座の預金が1000円以上残っていれば,預金保険機構が支払手続開始の公告を行い,期間内に被害者が所定の申請書で申請をすれば,金融機関が支払いを決定し,被害回復分配金が支払われます。

口座凍結は,迅速に,かつ口座名義人に知られないように行わないと,詐欺の被害金が出金されてなくなってしまいかねませんし,被害者本人がやるには複雑な手続きですので,弁護士や警察に相談することをお勧めします。