日別アーカイブ: 2020年6月10日

自己破産や個人再生は地域ごとの差が大きい

1 自己破産と個人再生は,お住まいを基準に申請する裁判所が決まる

債務整理の方法のうち,裁判所を通じて行うものに,個人再生と自己破産があります。

個人再生は,お住まいを管轄する地方裁判所(弁護士は「地裁」という人が多いです)に申請して,借金を減額してもらい,3年から5年で返済する手続きです。

自己破産は,お住まいを管轄する地裁に申請して,借金を0にしてもらう手続きです。

お住まいを管轄するとは,住民票は東京都にあるが実際は名古屋市にお住いの方であれば名古屋地裁というように,住民票上の住所ではなく,実際にお住いの場所を基準に決めるのが原則です。

2 自己破産では,裁判所に納めるお金が地域ごとに異なる

自己破産には,同時廃止という簡易な手続きと,管財事件という複雑な手続きの2種類があります。

同時廃止は,目ぼしい財産がなく,借金が増えた経緯にも大きな問題がない場合で,ほとんどの裁判所が1万円強のお金を納めれば足ります。

管財事件は,目ぼしい財産があったり,借金が増えた経緯に問題がある等で,管財人という依頼した弁護士と別の弁護士が裁判所から選ばれ,調査を行う手続きです。

管財事件の場合に裁判所に納めるお金は,たとえば名古屋地裁であれば,約22万円か42万円です。

しかし,津地裁で管財事件の場合に裁判所に納めるお金は,約23万円か30万円ですから,地域によって,裁判所に納めるお金が10万円以上違うことがよくあ

ります。

また,同時廃止になるか管財事件になるかは,申し立てた裁判所の裁判官が判断しますが,その裁判所の担当裁判官の個性や,地域ごとの傾向で,同時廃止になりやすい裁判所

と管財事件になりやすい裁判所があります。

私の経験では,一般に,都会の方が裁判所の調査が細かく,管財事件になりやすい傾向がありますが,裁判官の異動により傾向が変わることもあります。

このように,自己破産は,地域ごとの特性の差が大きく,隣の県くらいならまだしも,遠方の弁護士では,その地域の特性をつかみきれない傾向があります。

3 個人再生は,個人再生委員の選任率が地域ごとに異なる

個人再生では,個人再生委員という,依頼した弁護士と別の弁護士が裁判所から選ばれることがあります。

個人再生委員が選任されると,裁判所に納めるお金は15~30万円程度余分にかかりますし,手続きにかかる期間も長くなります。

手続にかかる期間が長くなれば,それだけ払っていない期間の利息も増え,返済しなければいけない借金額も多くなってしまいます。

東京地裁は,原則として全件,個人再生委員を選任しています。

名古屋地裁では司法書士が申し立てる場合は選任されることが多いですが,弁護士が申し立てる場合は,選任されないことが多いです。

津地裁になると,個人再生委員が選任される確率は,名古屋地裁よりさらに低いと感じますので,手続きの費用の見積もりやスケジュールも地域ごとに異なってきます。

4 地元の弁護士の強み

このように,自己破産や個人再生は,その地域に精通した弁護士に依頼する方が,手続きにかかるお金やスケジュールの面で有利に働くのが通常です。

当法人では,令和2年6月,三重県四日市市に,新たに事務所を開設し,四日市を中心とした三重県北部の方にご来所いただきやすい体制を整えています。

詳細は,以下の四日市の自己破産,個人再生サイトをご確認くだされば幸いです。

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