日別アーカイブ: 2022年9月18日

未払給料立替払制度の注意点

会社が破産する際に、従業員の給料を払いきれないことは珍しくありません。

このとき、独立行政法人労働者健康福祉機構の立替払制度を利用することが多いです。給料が払われず生活に困る従業員さんにとって、役に立つ制度であること

は間違いありませんが、使えないケースもありますので、注意が必要です。

1 支払いまで最低3ヶ月程度かかる

立替払制度は、①未払給料額に関する資料を集める②未払給料額の計算を終

えて申込書類を従業員宛てに送付する②破産管財人が内容を検討して証明する

③立替機構が内容を検討して支払う と何度も資料と書類のやりとりがありま

す。

どんなに早くても、本来の給料日より3ヶ月程度遅れてしか支払いは受けら

れません。

2 事業開始1年未満の廃業や解雇から6ヶ月経過後の破産申立てでは使えない

立替払の要件として、事業が1年以上継続していることや、解雇から6ヶ月

以内に破産申立てをしたこと等があります。

これら事業者側の要件によって、立替払制度が使えないケースもあります。

3 解雇予告手当や賞与は対象外

立替払制度の対象になるのは、定期賃金と退職金です。

突然解雇されたことで、平均賃金の30日分の支払を受ける権利がある解雇

予告手当や、定期できなく臨時に支給されるだけの賞与は、立替払いの対象で

はありません。

4 金額は最高8割まで

立替払制度では、最高で未払い金額の8割までしか払われません。

また、30歳未満は110万円まで、30歳以上45歳未満は220万円ま

で等、金額による上限もあります。

5 役員、親族、下請けは使えないケースが多い

立替払制度は、あくまで生活に困る従業員の保障ですから、代表者や取締役

は使えないのが原則です。

親族の従業員も、従業員と同様の勤務実態が証明できれば使える可能性はあ

りますが、認められないことも多いです。

下請業者や外注は、従業員ではないので、対象外です。

6 事業をやめるとしても、従業員に迷惑をかけたくないと考える代表者さんは

大勢いらっしゃいます。

立替払制度は安心材料の1つになりますが、やはり給料が払いきれな

くなる前に、事業をやめる決断をすることが大切です。

立替払制度の詳細は、弁護士までおたずねください。