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倒産実務委員会

写真 3愛知県弁護士会の倒産実務委員会に出席しました。

各県の弁護士会には,委員会という公益活動を行う弁護士のグループがあります。

昨年は,倒産実務委員会の中でも,民事再生を扱うチームに所属し,会社の民事再生に使用する書式の改訂等に携わってきました。

今年は,破産の中でも少額予納管財事件に使用する書式の整備等を行うチームに所属することを検討しています。

写真は,愛知県弁護士会と税理士会が協同で執筆した破産と民事再生に関する本ですが,弁護士がとっつきにくい破産・民事再生に関する税務について,コンパクトにまとまめられています。

 

 

愛知環状鉄道

岡崎と高蔵寺を結ぶ愛知環状鉄道です。

名古屋駅から,当法人の豊田市駅法律事務所に出張する際,たまに使います。

車両がやや古いのですが,車窓から,仕事でなければ行かない工場地帯等がよく見えています。!cid_0AF970BC-CD79-4332-B5B7-B053361B5953

 

任意売却

写真 2任意売却を勧めるマンガつきの本を読みました。

住宅ローンの支払に困って自宅を売る場合(任意売却)と,借金がない状態で単に不動産を売る場合では,難易度が違います。

たとえば,住宅ローンが1500万円残っているが,1200万円でしか自宅が売れない場合,住宅ローンの債権者に,1200万円で自宅につけている抵当権を外してもらう同意を得なければ,売却することができません。

また,自宅から引っ越そうにも,引越費用が用意できないことも珍しくありません。

そこで,買主にかけあって,引越費用等を用意してもらえないか交渉することもあります。

マンションの管理費の滞納があったり,税務署に自宅の差押えを受けている場合は,売却の際の精算方法が問題となります。

任意売却では,売却しても残る借金の整理が必要なケースも少なくありません。

残る借金の整理と任意売却については,お気軽に弁護士にお問い合わせください。

重要判例解説

写真 1平成25年度重要判例解説が発売されました。

私が法科大学院生だったころから購入しており,弁護士になってからも毎年購入しています。

弁護士になってから,自分が主に取り組む分野以外の最新判例のフォローがおろそかになりがちですが,1年に1度は必ずフォローするようにしています。

マウントゴックスの民事再生

ビットコインの取引仲介業者である㈱MTGOXが,東京地裁に民事再生の申立てをしました。
民事再生は,債務を減額して返済する再生計画を定め,債権者多数の同意を得て事業を再生する手続きです。
本来民事再生手続では,手続きの直前に財産が一部の債権者に流れた場合等は,申立をした弁護士か管財人の弁護士が流出した財産を取り返すのが原則です。(「否認権行使」といいます。)
しかし,今回は,ビットコインがどこに流れたのか明らかでないし,信用が失墜したビットコインを取り返したとしても,現金に換えて債権者に分けることができないように思えます。
一般のユーザーに何らかの救済が施されるのか注目です。

3月

今日から3月ですね。
名古屋は春らしい暖かさです。
弁護士の世界では,3月は会社の倒産事件が多いイメージです。
会社の事業再生や破産を扱う弁護士としては,1年で最も忙しい月です。しかし,会社の経営が苦しい方は,お気軽にお問い合わせいただければと思います。

生活保護法63条の費用返還義務の履行と否認権行使

破産の場合は,税金等の一部の例外を除き,債権者は平等に扱わなければなりません。

生活保護費を受給したのちに国から返還を求められた場合,返還する義務が生じます。

破産する人が,他の借金の支払ができなくなったのちに生活保護費の返還をすると,債権者を不平等に扱ったとして,

否認権行使の対象になる(管財人の弁護士が,返還を受けた生活保護費分を国から取り返して他の債権者に平等に分配する)

という裁判例があります(千葉地方裁判所平成25年11月27日判決)。

このように,親族や友人から借りたお金だけは全額する等は,破産手続きでは認められませんので,注意が必要です。

会社の破産と従業員の給料

会社が破産する場合,突然従業員を解雇せざるをえないケースが多いことから,解雇予告手当と最終月の給料の両方を払う必要が出てくることが多いです。
この点,最終月の給料は,労働者健康福祉機構の立替払制度により,最大80%まで支払われる可能性があるのに対し,解雇予告手当は,立替払を受けることはできません。
そこで,解雇予告手当を優先して支払うことを推奨する弁護士が少なくありません。
私の所属する愛知県弁護士会の組合が発行する書籍でも,解雇予告手当を優先して支払うことを推奨しています。

不動産鑑定に関する研修

愛知県弁護士会で,不動産鑑定に関する研修がありました。
不動産鑑定士は,愛知県下で250人ぐらいしかいないそうです。
愛知県に弁護士が約2500人いるので10分の1程度ですね。
不動産の評価方法としては,原価法,取引事例比較法,収益還元法,開発法等様々な方法があります。
原価法は,土地購入に要する費用と,建物建築に要する費用から建物の耐用年数等を考慮して減額したものの合計で不動産を評価するもので,土地上に1戸建ての建物がある場合に適しています。
収益還元法は,賃貸用マンション等の収益物件に適しています。
このように,評価方法によって,適している物件等が異なりますので,鑑定書を読む際には注意する必要があります。

個人再生と競売手続きの関係

住宅ローンの支払いが遅れて,自宅を競売されてしまった場合でも個人再生手続きで自宅を残すことができる場合があります。 競売手続きが始まった場合,個人再生手続開始の申立てを裁判所に行うまで,競売手続きを止めることは原則として不可能です。 競売手続きを止めるためには,競売の申立てをした債権者の意見を聴く必要があるうえ,競売手続きの開札期日を過ぎると,最も高い値段で入札した者の同意がないかぎり,競売手続きを取り消すことができなくなるため,遅くとも,開札期日までには,個人再生手続開始の申立てを行うべきです。 自宅を競売されてしまった方は,お早めに弁護士にご相談ください。